9.03.2022

喫茶店

とある住宅街にある小さな喫茶店。

一顧客としての見方に過ぎないが、純喫茶でもカフェとも言えない、ただの喫茶店である。言っておくがそれは決してけなす意味で言っているのではなく、あくまでも敬意と一定の愛情を込めての評価である。なにせ、私はこの喫茶店の常連だ。

独り身の老亭主は57才の女性。それ以上の身の上は知らない。喫茶店の内装はお世辞でもおしゃれと言えない。旅行かなにかで集めてきた統一感のない置物が飾られている、というより、散らかっている。時代を勘違いしたCDラジカセから流れる音楽は、亭主お気に入りの不思議な現代音楽(心地悪いわけではない)。

モーニングは3種類ある。Aセットはトーストとサラダ。Bセットは目玉焼きとベーコンとサラダ。Cセットはミックスサンド(ハム・きゅうり・たまご)。

はじめて訪れた時、Cセットを頼んだ。それ以来Cセットしか頼めなくなった。そんなこんなで10年ほど通っている。

時々AセットかBセットに浮気しそうになることもあるが、いまのところしていない。

なぜだろう。