7.18.2021

最後の砦

加藤肇といいます。

郊外にある、小さなキリスト教会の神父です。日曜日に礼拝を行ったり、教会仲間とボランティアをしたり。結婚式やお葬式もあります。

この街で10年近く続いていて、人に支えられ教会や自分自身の存在を認めてもらっている気がします。

職業柄の悩みもあります。お寺の住職さんや神社の神主さんもそうだと思いますが、様々な相談ごとが教会に持ち込まれてきます。きちんと信仰に関係する相談もあれば、対処に困るときも珍しくありません。病の話は実に多い。子育てアドバイスや夫婦喧嘩の仲裁、相続や土地権利のもめごとにも巻き込まれたことがあります。

私たちに来る相談事は大抵、打ち手を尽くしたことばかりで、言葉のとおり最後の神頼みといいますか。それだけに断ることは基本できない。心苦しいのだけど、私のできることは芳しくない事柄を平穏に受け入れる方に導くのが十中八九です。

万が一、何かを「解決」してしまった暁にはカルト信者みたいになってはいけないので、こっちは何もしてないですよ、と念押しすることも大切だと思っています。