5.21.2022

50年人生と100年人生

阿部寛斎、男27才。

社会人になってまもなく両親が他界してしまった。勤めていた会社を辞めて、いまは父親が残したマンションの管理をしている。共用部を清掃したり電球を交換したり、ゴミがきちんと分別されてるか確認したりもする。

ひょんなことで最近彼女ができた。休日は学生時代からひいきの劇団の芝居を観に行くのだが、その若手団員の一人だった。劇団の拠点になっている芝居小屋が赤字に耐えられず、閉鎖することになった。飲み会で悩みを聞いていたが、気がつけばその感じになっていた。何か、後ろめたい気もするが、そうでもない気もする。

仕事上の取り柄がないのもイヤなので、最近は不動産の勉強を始めてみた。いつか自分のお店みたいなものをもてればと思うが、何のお店をしたいかまだ決めていない。