他人の親切
「定期券落としましたよ」
ぜえはぁしながら中年男性は言った。池袋駅の乗り換え中、しかも通勤ラッシュ中。
どうやら私は山手線を下車した時にホームで落としたらしい。男はわざわざ下車して定期を拾い、人混みに消えていく私を追いかけてくれたのだった。改札に辿り着く直前で私に追いつき、肩をポンと。
どうもすみません、助かりました!とすぐお礼を言った。親切だな、と思った。
ところが無意識に胸のポケットに触れたらしっかり自分の定期券がある。落としていなかった。
すみません、自分のではないと思います、せっかくなのにすみません、と何故か二度謝ってしまった。
男は無駄骨だったのかガッカリした様子だった。少し考えた末、
じゃあ、お腹空いてませんか?という。
じゃあ、って
ぜえはぁしながら中年男性は言った。池袋駅の乗り換え中、しかも通勤ラッシュ中。
どうやら私は山手線を下車した時にホームで落としたらしい。男はわざわざ下車して定期を拾い、人混みに消えていく私を追いかけてくれたのだった。改札に辿り着く直前で私に追いつき、肩をポンと。
どうもすみません、助かりました!とすぐお礼を言った。親切だな、と思った。
ところが無意識に胸のポケットに触れたらしっかり自分の定期券がある。落としていなかった。
すみません、自分のではないと思います、せっかくなのにすみません、と何故か二度謝ってしまった。
男は無駄骨だったのかガッカリした様子だった。少し考えた末、
じゃあ、お腹空いてませんか?という。
じゃあ、って
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