8.27.2011

重みのこと

長い一日を終えて帰宅した安田は、その日は何もせず寝ることにした。テレビもパソコンも見ず、本も読まず、オナニーもせず、何よりもさっさとシャワーを浴びてグッスリ眠りたかった。

風呂上がりの身体が火照ったまま照明を消して仰向けに寝転がるが、なかなか寝付けない。身体の重さで安田の頭は大きな枕の中に沈み、両耳が被さる。じっとして数分経ったのか数十分だったのか分からないが、いずれ大きな枕が暑苦しく感じたのだった。

安田は少し起き上がり、枕を両腕で胸に抱きしめて、横向きで寝た。この枕の抱き心地があまりにもよくて、あ、気持ちいい、と思ったとたんに深い眠りについてしまった。

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