11.25.2010

トロイのヘレナと賢治

ヒナミケイスケです。

難しい本は得意じゃないです。中には好きなものもありますが、元から活字を読むペースが遅く、内容がややこしいと何度も同じページを読み直さないとわからない。本は一切悪くなく、スラスラ読めない要領の悪さに苛立ちを感じます。

宮沢賢治の、セロ弾きのゴーシュ、があります。ふと思い出しました。市民オーケストラのセロ弾きの青年が、十日間ほどひたすら練習をして上手くなる話です。夜な夜な、練習するゴーシュの家にいろんな動物がおとずれて、彼の邪魔をしたり助けたりします。

多分ね、すっごく奥深い作品なんです、きっと。そして多分、僕のいう難しい本の部類なんです。僕がちっとも理解してないだけで。僕にとっては、漠然と良い話で、希望とか夢とか愛とかいっぱい詰まってそうな気がします。そして、記憶のどこかに居座っていて、なんとなく忘れはしないんだろうなあ、なんでだろう、とこれからも口半開きでぼーっと思わせる作品なんだと思います。

初めて読んだとき、恥ずかしいですが、その後練習しましたよ。笑いも涙もありませんでしたが、楽器を手に取りました。素晴らしい本は世の中にたくさんありますが、こんな僕でも生身の人を動かせちゃうものはそうありません。

カワイ子ちゃんに関しても同じことが言えるのかも知れない。トロイのヘレナとか。あ、でも戦争を起こしちゃったらあまり良くはないなあ。

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