3.16.2010

こけしは男の子

法事でお寺に行きました。もとからお経を聞くのは好きです。不謹慎だといけないのですが、あの歌にはとても独特な訴えを感じます。お坊さんの、しめの小話も好きです。習慣の由来は良く分かりませんが、一日中不思議な言語をとなえる身になってみれば、たまには普通の日本語を喋ったり、お坊さんだって人間なんだこのやろう、とアピールしたい気持ちもなきにしてもあらず、なんだと思います。

こけし、と聞いて何を思い浮かべますか?私は、地味な工芸品、でした。お坊さんによると、こけしにはとても悲しい話がついているのです、とのこと。昔の農民の大半はあまりにも貧しかったため、長男あるいは特段かわいい女の子以外の子供を山に捨てたそうです。そのさい、気の毒な子供を供養するためにこけしをこしらえ、神棚においたのだそうです。ちなみに本来こけしは犠牲になりがちだった男の子がモチーフになっているそうです。

言葉を分解すれば、その事実は名前にも短くまとめられています。子、消し、と。

知っている人もいると思いますが、はじめて聞いた私はちょっとショックで、お坊さんの言いたかったこと(生きてることのありがたさ等々)なんぞすっかり忘れてしまいました。この由来の信憑性に関してもガセネタ説はもちろんあり、断言はできないですが、自分の中ではお坊さんが言ったなら間違いないであろう、とお坊さんはウソつかない前提で真実と整理してます。

それはさておき。

人類の記憶の儚さに驚かされた日でした。

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