9.12.2009

オートマチック

先週。久しぶりにお酒で気持ち良くなれたのは良いものの、いまにもコトンと落ちそうそうだったので電車を途中下車してタクシーで帰ることにした。深夜帯で果てしなく続く下り電車で寝過ごすことほど悲惨なことはそうない。おりたのは新橋で、都合良く大通りは空車のタクシーでいっぱいだった。同じお金を払って贅沢するなら白い個人タクシーにしようと考え、少し吟味してからタクシーを選んだ。

手入れの行き届いた車内とは対照的に、と言えば実に失礼な言い方かも知れないが、運転手はブルドッグのような50才代の男だった。どこへ、と表情一つ変えずにたずねてくる。江東区の北砂、と切り出したとたんに運転手は割り込んだ。あの川の側の工事現場の隣のマンションね、と信じられないくらいピンポイントで行き先を当ててきた。酒が入ってるとはいえ驚くには十分で、車に揺られながらポカンとしていた。

時に限って運転手は喋り嫌いのようで、なかなか会話らしき会話が成り立たない。不思議なことが起きるものだと足りない頭で思った。

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