8.25.2009

山田太郎の場合

「下界の山田太郎よ、さてはおまえ馬鹿だな?」

山田太郎は、愛と美の神ことアフロディーテに付き合ってもらいたいと申し入れたのだった。

「人間は唯一愛することが許されている、特別な生き物だ。愛することは子孫を残す手段だけでなく、愛する者の自己実現につながるものとしている。だから、私は考えた。子供が作れる男女の間の愛の他にも、同じ性の者同士の愛、場合によっては金、モノ、あまり好みではないが動物への愛も一応認めてきた。しかし何故、よりによって愛の神である私にモーションをかけるのだ。お前たちの言葉で言えば、まじでありえない。」

そばにいたいだけです、と山田太郎は訴える。
好きで好きになったわけじゃないです。

「力関係があまりにも歪んでいると思わないか。言うまでもないが、私は神なのだから怒るとめちゃめちゃ怖い。怖いどころか、何かのはずみでデコピンしただけでもおまえの存在もろとも消してしまうこととなるだろう。」

まぁ、いいんじゃないでしょうか・・・、と山田太郎は淡々という。
怒ってる時は、おとなしく話を聞いてあげます。

「よく考えろ。私なんかとつきあっても、ちっとも楽しくないのだ。なにせ神なのだから忙しくておデートも、おセックスも、結婚も子づくりもろくにできないのだ。それを言うなら携帯も持っていないのでおやすみなさいのメールも微妙だ。」

恋に恋い焦がれてるのと、勘違いしないでください。

「山田太郎よ、お前が馬鹿なのか、むしろ神々しいのか分からなくなった。一週間考える時間をいただくこととしよう。」

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