9.02.2009

殺さないでください

ネクタイがとてもとても嫌いなのです。首をしめられることは決して気持ちの良いものではないと思うのだけど、何か間違っているだろうか。きらびやかなシルクを首に巻いて誇らしげにたたずむイメージに、どうもある種のオカルトさすら覚えてしまうのだ。

だから、よほどのことがないかぎり自ら絶対買わないし、願わくは貰いたくもない。もちろん、もらった場合は気持ちはありがたくいただくし、礼儀として何度か着用する。そうでもしないとあげた本人と何の罪もないネクタイが浮かばれないというか、事態に収まりがつかない。これは多分、僕の病気なのだ。病気というのも、あげた人が僕を殺そうとしてるのではないかとものの一瞬、想像してしまうのだ。一度、他人からもらったネクタイを見て当時の彼女が嫉妬したことがあった。僕はいったい何人に殺されようとしているのだろうと、ひどく動揺した。

どうしても買うなら、優しい青のものに限る。赤、黄色は無理だ絶対。

持ってるネクタイのレパートリーは華やかとは言いがたい。数は少ないし、古くてぼろぼろだ。おのずと、取引先などはワンパターンに徹する僕の身だしなみのたるみを認知することになるが、こればかりはどうにもできない。

そうと言いつつ、恥ずかしながら完全に世間に見放されてしまうわけにいかないことを主因に今朝も自分の首をしめようとしている。今日はちょっと、身体の拒絶反応がきつい。

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