6.08.2009

思春期が過ぎたら

空を飛ぶことができます。いつからそうなったのか分からないので、きっと生まれつきの能力なのだと思います。同類に出会ったことがないので、今のところ、どういった原理でできるのか、何歳になるまでできるのか、僕の潜在意識やファッションセンスやシイタケの食わず嫌いにどうつながっているか否かについては、詳しいことは分かっていません。

飛ぶ方法はラジコン以上に単純で、思ったとおりに身体が浮いたり、沈んだり、前進後退したり、曲がったりするだけ。トンボのように宙で留まることも出来るし、遅く進みたければモンシロチョウのように、速く進みたいときは果てしなく。体力は使わないので基本的に疲れないし、いつまでも飛べます。その気になれば、ジャンボジェットのように外国へ飛ぶことだってできる気がします。できます、が、外国まで飛ぶには高度が高すぎて空気がありえないくらい薄くて寒いのと、何時間も飛び続けるとさすがに退屈そうなので、試したことがありません。

平たく言うと、残念ながら実用性はあまりないです。まず面倒なのが、できれば人にばれたくないという点。きっとあなたも既にお察しのように、僕が「飛行」の分野以外では世界一平凡で温厚でつまらない人間だったとしても、僕のことをちょっとは警戒されることと思います。それは決してあなたが悪い人だからではなく、僕が明らかに異常、つまり普通では理解できないことをしているから。だから、僕が仮に「旅行行こうよ!」といったら、あなたはまず反射的に「電車で?」と返すのでしょう。まぁ、そこまで露骨でなくとも、あなたの中では僕=飛べるヤツ、となってしまうのでしょう。誰もがそう思うようになってしまうことは、僕にとってはとても悲しいことなので、人にはばらしたくないのです。ただでさえ、あまり使わないわけですから、つまらないことで人生を棒にふりたくないのです。

最近、雨の日が多くなってきましたね。先日の大雨のとき、僕は運悪く革靴を履いていました。2ミリほど浮いて歩くフリをしていたら、水溜りを踏まずに済んだので、靴底を台無しにせず帰ることが出来ました。

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