2.28.2009

黒のウイングチップ

この工房も36年間続けてきたが、いよいよ明日で店じまい。予定より早く最後に注文された革靴を完成してしまったので、いまはその靴を念入りに磨いている。発注したのは新規のお客で、40才くらいの爽やかな紳士だった。来年から会社をおこすことになったので、縁起よく新しい靴で踏み出したいんだとか。

手作りの革靴で大事なのは足の形に合わせた「型」。こいつを一度作っておけば、工房が有る限り後から何足でもその客にぴったり合う靴を作ることができる。もちろん事前に紳士にも店の事情を伝え、うちの場合せっかく型を作っても一回切りだと説明したが、彼はそれでもかまわないと言ったのだった。

多少の物好きなのだろう。

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