ちょっとお話が、あるの
聡子にとって、一日のなかで最も忙しいのは朝の時間帯だ。
六時半起床、朝食の支度をして、夫も起こして食べさせて送り出す。それから、いつもの家事がはじまる。洗濯、掃除機、干し物、拭き掃除、そしてアイロン掛け、夕飯の買い物の順で挑む。月曜日の今朝も、そんな朝だ。
プラスチックのカゴいっぱいの洗濯物を、洗濯機のある脱衣所に運ぶ。今日の量は2回に分ければすぐ終わりそうだ。週末に着ていた夫の紺色のトレーナー、チェックのブリーフ、靴下。聡子のジーンズ、下着。二人の色物で洗濯機がいっぱいになる。この洗濯機は先週買い換えたばかりで、まだ使い慣れていないが汚れがよく落ちる。聡子の性格がせっかちなので説明書は読んでいない。不思議なボタンやスイッチがいくつかあるが機能が分かっていない。大雑把だが、聡子は新しい洗濯機を重宝しているし、お金に余裕はさほどないのにすんなりこの買い物に納得した夫に感謝している。
ガキッガタッゴトトト。
突然、明らかに妙な音がする。洗濯機は激しくゆれはじめ、置き場の枠から飛び出しそうになる。聡子は「切」のボタンを押すが洗濯機はおかまいなしにゆれ続ける。お手上げの聡子は両手を洗濯機のふたにのせると、最後にガタンと大きな音を立てて静まり返った。聡子がため息をすると同時に洗濯機がプシューとハモる。
壊れちゃったのかな。どうしよう。
説明書、なくしちゃった。
機械音痴のお約束は、「壊れているかどうか」を確認するために同じことを繰り返して、もっと壊すことだ。聡子はまぎれもない機械音痴だ。生まれつきの性質なので、こればかり聡子は責められない。もう一度、電源を入れて洗濯機をまわす。ゴトト、プシュー。
あー。夫に怒られる。
買ってもらったばかりなのに・・・。
聡子はしょんぼりした。少し泣きそうだった。
濡れた衣類を取り出して洗濯機の中を覗くと、こなごなに砕けたボールペンの破片が底の溝にあちこち刺さっていた。
六時半起床、朝食の支度をして、夫も起こして食べさせて送り出す。それから、いつもの家事がはじまる。洗濯、掃除機、干し物、拭き掃除、そしてアイロン掛け、夕飯の買い物の順で挑む。月曜日の今朝も、そんな朝だ。
プラスチックのカゴいっぱいの洗濯物を、洗濯機のある脱衣所に運ぶ。今日の量は2回に分ければすぐ終わりそうだ。週末に着ていた夫の紺色のトレーナー、チェックのブリーフ、靴下。聡子のジーンズ、下着。二人の色物で洗濯機がいっぱいになる。この洗濯機は先週買い換えたばかりで、まだ使い慣れていないが汚れがよく落ちる。聡子の性格がせっかちなので説明書は読んでいない。不思議なボタンやスイッチがいくつかあるが機能が分かっていない。大雑把だが、聡子は新しい洗濯機を重宝しているし、お金に余裕はさほどないのにすんなりこの買い物に納得した夫に感謝している。
ガキッガタッゴトトト。
突然、明らかに妙な音がする。洗濯機は激しくゆれはじめ、置き場の枠から飛び出しそうになる。聡子は「切」のボタンを押すが洗濯機はおかまいなしにゆれ続ける。お手上げの聡子は両手を洗濯機のふたにのせると、最後にガタンと大きな音を立てて静まり返った。聡子がため息をすると同時に洗濯機がプシューとハモる。
壊れちゃったのかな。どうしよう。
説明書、なくしちゃった。
機械音痴のお約束は、「壊れているかどうか」を確認するために同じことを繰り返して、もっと壊すことだ。聡子はまぎれもない機械音痴だ。生まれつきの性質なので、こればかり聡子は責められない。もう一度、電源を入れて洗濯機をまわす。ゴトト、プシュー。
あー。夫に怒られる。
買ってもらったばかりなのに・・・。
聡子はしょんぼりした。少し泣きそうだった。
濡れた衣類を取り出して洗濯機の中を覗くと、こなごなに砕けたボールペンの破片が底の溝にあちこち刺さっていた。
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