9.03.2008

英雄達の台所事情

ダイナマイトだ、ダイナマイト。誰かダイナマイト持って来い。
みんなで、ダイナマイトを探すのだ。どこかに転がっていないか。
この壁をぶち破れば、もう洞窟の外のはずだ。

しかし隊長、こんなに狭いところでダイナマイトなんか使ったら、我々の身にあまりにも危険です。

だまれ、このままでは、隊員もろとも窒息死してしまうのだぞ。一人でも生きる可能性を残すなら、今すぐダイナマイトで貫通を試みるしか方法がない。お前のいうとおり、犠牲者が出る可能性、いや、必ず犠牲者は出るだろう。でもいまや、やむをえないと理解してくれ。

隊長、ダイナマイトがありました。

ようし。俺はもう歳だし、独り身なので点火は俺がやってやる。
家族がいる者はできるだけ、他の者の後ろで伏せてろ。

隊長、少しお待ち下さい。

なんだ。こんなときに。

私は、確かに隊長と同じように独り身であります。ところが、女を経験したことが一度もありません。家族がいる方には申し訳ないのですが、私だって生き延びたい、いや私こそここで命を落としてしまうと無念でなりません。家族がいる方が犠牲となれば、その方のために涙を流す者がいるでしょうが、無縁の私に泣いてくれる者が誰もいないのです。

うーむ。我が部隊は、確か家族がいる者・独り身でちょうど、半々くらいだったな。分かった、それでは「家族チーム」と「独身チーム」に別れて、各チーム代表者同士で山手線ゲーム3回戦をするが良い。私が点火をしている間、勝ったチームの方が負けたチームの後ろで伏せる権利を得ることとする。それであれば、平等で皆生きるチャンスがあると思え。

しかし隊長、山手線ゲームはご存知の通り、「お題」を出す時点で勝敗が決まってしまうようなゲームです。最初にお題を出したチームが1回戦と3回戦、2回も出題できるので不公平ではありませんか。

そうであれば、ジャンケンであれば何も文句なかろう。

ジャンケン3回戦なんてそんな、軽率な!

それでは3回戦ではなく、33回戦にしたらいいのか?

隊長、そういう問題では・・・。

ええい、いい加減にしろ。皆合意できる決め方を提案したチームの勝ちとする。俺はお前たちの後ろで待ってるから早く決めるが良い。

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