6.18.2008

旅の記録

先週の水曜日から日曜日、カナダのトロント市に行ってきました。カナダはロシア連邦に次ぎ、世界で2番目に大きい面積の国土を持つ国です。トロント市は観光名所で有名な、ナイアガラの滝の近くにある大都市です。ナイアガラの滝は、流れる水量の規模では北米で最も規模の大きい滝なのだそうです。ただ、残念ながら今回はナイアガラの滝を拝むことは出来ませんでした。

ナイアガラに訪れることなく、いったい何をしてほっつき歩いていたのかというと。今回の旅の目的は、ok city okの一員として、トロントで開催されるインディーズフェスティバル「NXNE」に出演することでした。多くの人には聞き馴染みのないフェスティバルかと思いますが、この手のものではカナダ最大で、いったいどのくらい大規模なのかというと、トロントにある40以上のクラブを三日間占領し、500組のアーティストがライブをするそうです。ちなみに、私はok city okではギターとバイオリンとバックボーカルを担当しています。ok city okはライブ二本と、ラジオインタビューを二件こなしました。

道端で声をかけてくる陽気なお兄さん。「ウサギチャーーン!!ウサギチャーーン!!イエー」はい、なんでしょう。「ウサギチャーーン!!」人差し指と小指を立てて「ロックンロール」のサインをしたかったみたいです。おそらく、どこかの日本人が悪戯で「ウサギチャン=ロックンロール」と教えたのでしょう。もちろん、私も心を込めて精一杯のウサギチャンを彼に贈りました。イエー。

地元では悪評のプロモーターのおじさん。性格は最悪だがバンドの目利きはかなり腕が鳴る、らしい。ズカズカ楽屋に入ってきて、僕らの隣に座りました。お前らがok cityか、今夜は俺の選んだバンドのショーケースだ。挨拶かと思いきや、超疲れた、お前らタバコ吸うか?何かのお薬で完全にイカれてる。だいたい、視線がヤッホーな方向だ。勇気あるボーカルのお兄さんが、日本に行ったことはありますか?と訪ねると、知らねえけどベトナム人とチャイニーズの友達は沢山いるぜ、とのこと。

楽屋、というより、だだっ広い地下室。メインホールの数倍の広さ。メインホールと同じようにステージとバーとビリヤード台が完備されている。もう何年間も使っていない様子で、ボロボロだ。地下でライブやった方がいいかもね、と冗談を飛ばすが、誰かがささやく、ここでは昔、連日連夜ドラッグパーティーが開催されていたことで有名なんだとか。どおりで地下室の入り口が秘密の扉っぽくなってるわけだ。トイレがトレインスポッティング。



肝心のライブでは、2曲目でバイオリンの弦がパッツン切れるというハプニングがありました。焦りましたが、残りの3弦でなんとかアドリブを試みました。準備していたフレーズは基本的に使い物にならず、人生そんなものです。とても良い体験になりました。ライブの反響は様々でした。「結構イケてるじゃん」という声もあれば、「このジャパニーズキッズはグルーヴをわかっちゃいねえ」や「13時間のフライトの無駄」という声も。演奏側からしてみれば、良いところもあれば、もちろん反省するべき点も。

この三日間、時差ボケと興奮と時間の足りなさで、体は少しこたえたようです。年がら年中、世界中のフェスティバルを転々とするようなミュージシャンがどれだけたくましいことか。考えさせられました。

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