5.01.2008

サバンナの宴

中年の男がある縁で孤児の子供と出会った。男は孤児のことが気の毒で、なんとか力になれないか頭をひねるにひねった。

小わっぱ、何が欲しい。
オイチャンが持ってきてやる。

オイチャン、いまは腹が減ったよ。美味しいマンマを持ってきておくれ。

よしきた。男は金はなかったが、簡単な料理くらいならできた。白いお米をたくさん炊いて、ゲンコツのような握り飯を山ほどこしらえて孤児に食べさせた。

孤児は喜んで握り飯を平らげた。
ボンズ、次はなにが欲しい。

自転車が欲しい。

男は駅前の駐輪場から適当な自転車を盗んで孤児に与え、付きっきりで乗り方も教えた。

ボンズ、次はなんだ。

オイチャン、母ちゃんが欲しい。

父ちゃんじゃダメか?オイチャン父ちゃんならなってやっていいが、おっぱいないし臭いし勉強もわからねぇし、さすがに母ちゃんはつとまらねぇ。

じゃあオイチャン父ちゃんでいいから、母ちゃん連れてきて。

男は旅に出て、孤児の母親になってもいいと思いそうな、いい臭いで頭がよさそうで、オマケに綺麗なおっぱいの若い娘を探しに探し、頭をペコペコ下げながらようやく妻をもらうことができた。夫婦として孤児のまえに再び現れて、念願の母ちゃんを与えた。

ボンズ、何が欲しい。

弟が欲しい。

翌年、娘は可愛い女の子を授かった。

ボンズ、何が欲しい。

孤児院のツレにも同じ思いをさせたい。

ボンズ、オイチャン、それだけはできねえ。

コメント0archive

Post a Comment

<< Home