エメラルドの都に行った
ある土曜日の夕方の出来事。
笹島という男は、娘のミカちゃんと近くのスーパーに行っていた。というのは、ママが今夜お友達とお出かけなのだ。帰りが遅くなるということで、珍しく二人で夕飯をこしらえることにしたのだった。実は笹島、持ち合わせがもう少しあれば弁当かファミリーレストランで済ませるつもりだったが、たまたま財布には小銭を合わせても1,437円となんともいえない中途半端な額しか残っていなかった。理由はともあれ米は家にあるので、スーパーでカレーの具のタマネギとニンジンと挽き肉を調達した。挽き肉で作るカレーは旨い。コクがある。
買い物袋を片手に、もう片方はミカちゃんと手をつないで夕焼けの川の土手をテクテクあるく。暗くなるのが早い。
月が、でかい。
月が、明るい。
月が、緑色だ。
緑色?
笹島は驚き、ミカちゃんの手をぎゅっと握った。
ミカちゃんも笹島の異変にすぐ感づいた。ミカちゃん、月が緑だね。
うん、キレイ。ミカ緑、大好き。
それは良かった。でもミカちゃん、なんでお月さま緑になっちゃったのかな。
お化粧してるの。
化粧?
ママと同じよ。だって、ママ今日お化粧してたよ。コツがあるっていってたよ。
笹島は笑った。
ふーん、どんなコツなのかな?
気分転換が大事って。
笹島は青ざめた。
ママは、お友達のノリコお姉さんとご飯食べるんだよね?
そうだよ。
そうか。
自分のために化粧するっていってたよ。
お月様もそうかな?
お月様もそうだよ。
笹島という男は、娘のミカちゃんと近くのスーパーに行っていた。というのは、ママが今夜お友達とお出かけなのだ。帰りが遅くなるということで、珍しく二人で夕飯をこしらえることにしたのだった。実は笹島、持ち合わせがもう少しあれば弁当かファミリーレストランで済ませるつもりだったが、たまたま財布には小銭を合わせても1,437円となんともいえない中途半端な額しか残っていなかった。理由はともあれ米は家にあるので、スーパーでカレーの具のタマネギとニンジンと挽き肉を調達した。挽き肉で作るカレーは旨い。コクがある。
買い物袋を片手に、もう片方はミカちゃんと手をつないで夕焼けの川の土手をテクテクあるく。暗くなるのが早い。
月が、でかい。
月が、明るい。
月が、緑色だ。
緑色?
笹島は驚き、ミカちゃんの手をぎゅっと握った。
ミカちゃんも笹島の異変にすぐ感づいた。ミカちゃん、月が緑だね。
うん、キレイ。ミカ緑、大好き。
それは良かった。でもミカちゃん、なんでお月さま緑になっちゃったのかな。
お化粧してるの。
化粧?
ママと同じよ。だって、ママ今日お化粧してたよ。コツがあるっていってたよ。
笹島は笑った。
ふーん、どんなコツなのかな?
気分転換が大事って。
笹島は青ざめた。
ママは、お友達のノリコお姉さんとご飯食べるんだよね?
そうだよ。
そうか。
自分のために化粧するっていってたよ。
お月様もそうかな?
お月様もそうだよ。
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