7.01.2007

ティーピーオーを守れない

私はアイスキャンデーを無事に買うことができた。店の中はクーラーが効いているためか、外の暑さを一時忘れそうになったり、あわやポテトチップスに手を出しそうにもなったが、無事に店を出ることができた。帰ってからアイスキャンデーを食べることにした。買ったばかりのアイスキャンデーより、ほんのちょっとだけ溶けはじめたアイスキャンデーの方が美味いのだ。家についたころがちょうど食べごろだろう。足早に歩く。

ガタン。エレベータが止まってしまった。ああ、こういうときに限って。

ところが、ただの停電ではないようだ。外から色んな音が聞こえる。人の叫び声、サイレン、爆発に銃声、そして、沈黙。世の終わりか。手が震える。私は、このエレベータから無事に出ることができるのだろうか。どうやって、生き延びよう。食料は、水は。武器は。

食料は。ビニール袋のアイスキャンデーを思い出す。

今、食べるべきか。いや、助けがいつ来るか分からないというのに、もたもたしてアイスキャンデーが溶けるのを見過ごすのはあまりにも間抜けだ。いや、街がどういう状況になったかも分からないのに、大の男がのんきにアイスキャンデーを食べてる場合か。あぁ、なぜ私はポテトチップスを買わなかったのだ。

誰も見ていないので、私はエレベーターの中で、アイスキャンデーを食べることにした。

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