3.13.2007

良い背中を求めて

「さけるチーズおじさん」がいる。
ほら、あそこの公園のベンチ。
きっと、今はお昼休みなんだ。
今日もとても、穏やかな顔をしてる。

お弁当箱を片付けて、コンビニで買ってきた、さけるチーズを食べているよ。遠くからは良く分からないだろうけど、このおじさんはさけるチーズの達人なんだ。ずいぶんゆっくり食べてるように見えるだろう?それは、ものすごく細かく「さいて」食べてるからなんだ。このペースだと、あの一本のチーズを食べきるのに20分はいけるんじゃないかな。全部同じ長さと細さで「さく」のはとても、難しいんだ。

さけるチーズおじさんがなんで凄いかって、僕が彼を発見してからこの数年間、火曜日と木曜日は必ず、あの公園のベンチでさけるチーズを必ず食べに来るんだ。そして、いつも穏やかな顔をしている。

僕はさけるチーズが大好きだ。だから、さけるチーズを愛するおじさんのことも好きだ。だって、あんなに美味しそうに、愛しく食べるんだもの。プレーンも、スモーク味も、激辛味も、ぜーんぶ同じように食べる。実はのことを言うと、彼がさけるチーズを食べ終わって会社に戻ると、僕もコンビニでさけるチーズを買ってきて、あの同じベンチで彼の真似をするんだ。まだ、あんまり上手じゃないんだけどね。

ささやかな幸せだと人は言うかもしれないけど、僕はそう思ってない。
僕にとっては、ささやかでも何でもない、ただの幸せなんだ。

コメント0archive

Post a Comment

<< Home