草のベッドで寝てたんだ
ベッドの左側からおりる、そして洗面所へ。
蛇口からハチミツがトロトロ流れ出てくる。イヤなんだけど、いつの間にか両手でそのハチミツをすくって顔にあてている。鼻の穴が甘い匂いでいっぱいだ。髪の毛にもべたつく。タオル掛けにかかった、束ねたホットピンクの靴ひもを手の中で丸めて顔をぬぐおうとするが、当然それではハチミツを落とすことはできない。仕方がなく風呂場に入り、そこの蛇口から出てくる生ぬるいプーアル茶でハチミツを洗い流す。鏡の中で金魚がプクプク。
顔がびしょびしょのまま、やれやれと居間に向かう。台所の椅子においといたクイックルワイパーの詰め替えパックはどこだ・・・。みつからないので、冷蔵庫の中のとっておきの新品の靴下を取り出して顔をぬぐう。気づけばソファで松下幸之助が寝そべってテレビを見ている。NHKのおはよう日本。
「ねぇねぇ、このアナウンサーの声きれいだよね」
幸之助は気に入ってるようだ。でも、一番気に入ってるのは声なんかじゃないだろこの野郎。先に起きてるんだったら、コーヒーくらい入れておいてくれたっていいのに。
「ごめんごめん。普通朝、食べないんだよね、俺。」
そうだったっけ。去年泊まりにきたときは、ブルーマウンテンどうのこうのってこだわってなかったっけ?言い合いになりそうな瞬間、トースターの蛍の光のチャイムが鳴る。チャーンチャチャーン。やっぱり掃除機、買っておくんだった。
「トースト焼いておいたよ。だって、今日は君の誕生日だもの。」
覚えててくれたんだ。ありがとう。
なにぬる?きなこバター、それともハチミツ?今日はハチミツでいいや。洗面所のハチミツはやめたほうがいいよ。塩素が入ってるから。そうか、ありがとう。いやあ、君は実にいいやつだ。別にいいんだよ、もうちょっと泊まっていっても。
Tシャツに着替えて、さて今夜もお仕事だ。
蛇口からハチミツがトロトロ流れ出てくる。イヤなんだけど、いつの間にか両手でそのハチミツをすくって顔にあてている。鼻の穴が甘い匂いでいっぱいだ。髪の毛にもべたつく。タオル掛けにかかった、束ねたホットピンクの靴ひもを手の中で丸めて顔をぬぐおうとするが、当然それではハチミツを落とすことはできない。仕方がなく風呂場に入り、そこの蛇口から出てくる生ぬるいプーアル茶でハチミツを洗い流す。鏡の中で金魚がプクプク。
顔がびしょびしょのまま、やれやれと居間に向かう。台所の椅子においといたクイックルワイパーの詰め替えパックはどこだ・・・。みつからないので、冷蔵庫の中のとっておきの新品の靴下を取り出して顔をぬぐう。気づけばソファで松下幸之助が寝そべってテレビを見ている。NHKのおはよう日本。
「ねぇねぇ、このアナウンサーの声きれいだよね」
幸之助は気に入ってるようだ。でも、一番気に入ってるのは声なんかじゃないだろこの野郎。先に起きてるんだったら、コーヒーくらい入れておいてくれたっていいのに。
「ごめんごめん。普通朝、食べないんだよね、俺。」
そうだったっけ。去年泊まりにきたときは、ブルーマウンテンどうのこうのってこだわってなかったっけ?言い合いになりそうな瞬間、トースターの蛍の光のチャイムが鳴る。チャーンチャチャーン。やっぱり掃除機、買っておくんだった。
「トースト焼いておいたよ。だって、今日は君の誕生日だもの。」
覚えててくれたんだ。ありがとう。
なにぬる?きなこバター、それともハチミツ?今日はハチミツでいいや。洗面所のハチミツはやめたほうがいいよ。塩素が入ってるから。そうか、ありがとう。いやあ、君は実にいいやつだ。別にいいんだよ、もうちょっと泊まっていっても。
Tシャツに着替えて、さて今夜もお仕事だ。
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