2.23.2007

良い事は終わります

21:00頃の地下鉄で見かけたもの。

シルバーシートに腰を掛ける老婆。老婆の何もかもが小さく見えた。
小さく丸まった身をつつむ灰色のコート。
小さな顔の半分以上を隠す白いマスク。
小さく後ろにまとめた白髪。
目を閉じている。寝ているのかもしれない。
歳のせいかすっかり前かがみになっててしまっている
ただ、自分のスペースからはみ出ることなく、いたって優秀な乗客だ。
一つの買い物袋もまっすぐ前に、両手で持っている。
派手ではないが、貫禄?品格?そんな空気を感じた。

その老婆の隣に腰掛ける、若い女性。高校生くらいか。老婆の孫か。
様相は印象に残っていないが、まじめそうなお嬢さん。
同じ柄の買い物袋を持っている。

親しい男性に甘えるかのように、老婆の肩に頭を乗せ、目を閉じている。

少しの間、自分の視線が広告の方にいく。再び二人を見ると、老婆は変わらず、そして若い女性の方は今度は目をパッチリ開けて老婆のようにまっすぐ座っている。一転して、まったくの他人が並んでいるように見えた。

もう子供じゃないんだから、そんな風に私に寄りかかるのはみっともないよ。もっと、背中をピンとしてなさい。そんなことを、目を開けずに老婆が言ってたのかもしれない。

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