7.11.2005

リリリィとケロロ

リリリィは光線銃を発射した。

狙いに迷いはなく、レーザは2メートル先のケロロの宇宙服を貫通し、心臓に直撃した。ケロロは前に倒れ、住民カプセルのリヴィングルームの中心で、うつぶせのままキース・ハリングの絵に出てくるようなポーズで死んだ。左右不同。出血も、動きも一切なく、横たわった冷たい銅像のよう。空調システムからの風が、ケロロの長い黒髪をいじくる、だけ。

しばらくたって、リリリィは自分の心臓の鼓動に気付く。10分立ったか、それとも1時間は過ぎたのだろうか。足は未だ凍ったように動かず、ガクガクしている。リリリィ自身の宇宙服が心拍数の異常を察知してからピッピッピッとアラームをずっと鳴らしていたが、1分あたり60-70の水準に戻ってからアラームが止んだ。

音が止んだことで、リリリィは我に返ったのであった。

あと少し待てば、警察が来ることは知っている。光線銃は音はしないが、発射される度にその強度(湯沸し・自己防衛・殺人のいずれか)、発射数、的(犠牲者の有無)の情報が無線で警察に送信されることになっている。殺ったか否かの情報は絶対だから、裁判はない。殺人に対する刑は一人用の住民カプセルでの生涯独房監禁と決まっていた。死刑は認められていなかった。

早くて来週には監禁生活が始まるであろう。
リリリィは目を閉じ、一粒の涙が目の端から漏れた。

コメント2archive

Anonymous Anonymous

おい、なんなんだ、一体この不可思議SFサスペンス小説は一体なんなんだ?!お前どうしちまったんだ?応えろ!そして最後は涙が頬を伝う、だろ。あ、これがおちか。

10:41 am  
Blogger cayske

ラブストーリーといえ!
難しい漢字はまだわかんねーんだよ!

3:33 pm  

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