粋な買い物
のっぽな中年男が高級ブチックに入る。ピンストライプのグレーのスーツに、真っ白のシャツ、濃い目の、敢えて装飾を避けたネクタイ。キレイに整えられた黒髪の中、白髪がツー・・・といさぎよくラインを描く。細い銀のフレームの眼鏡が静かに光る。店内は程よくクーラーがかかっていながらも、決して寒すぎず、心地よい。照明もおとなしめにしている様子だ。男は礼儀正しく、ゆっくり、店を一周、物色する。買いたい物はもう決まっている様子。口の端は小さな笑顔になっている。
店員は一周を終えた男にタイミングよく話し掛け、程よい笑顔で「なにかお探しでしょうか。」二人の波長はもう、完全一致している。
「ください。」
「かしこまりました。では、こちらの席でお待ちください。」
男は革張り・低めのソファに腰をかける。出されたコーヒーからゆっくりと湯気が立つ。男は黒砂糖の塊を一つ入れ、混ぜずにコーヒーをすする。ちょうど半分飲み終わった頃、店員が戻ってくる。
「お待たせいたしました。ご自宅用でしょうか、それとも贈り物にしましょうか。」
「贈り物にしてくれ。赤のリボンがいい。」
「かしこまりました。」
男はプラスチックのカードを店員に渡す。私にも貴方にも想像できないくらいの多額な金額を支払っている。一括払いは暗黙の了解である。店員は少し離れたテーブルで、殻のハコを取り出し、黒い包み紙で手際よくハコを包み、赤いリボンをカンで計って切り、結ぶ。最後に、そのハコを頑丈な手提げ袋に入れ、男に渡す。男はニッコリと笑い、手提げ袋を受け取る。
「大変お待たせしました。こちらに署名を・・・。」
「今日もありがとう。」
「明日も、お待ちしております。」
店員は一周を終えた男にタイミングよく話し掛け、程よい笑顔で「なにかお探しでしょうか。」二人の波長はもう、完全一致している。
「ください。」
「かしこまりました。では、こちらの席でお待ちください。」
男は革張り・低めのソファに腰をかける。出されたコーヒーからゆっくりと湯気が立つ。男は黒砂糖の塊を一つ入れ、混ぜずにコーヒーをすする。ちょうど半分飲み終わった頃、店員が戻ってくる。
「お待たせいたしました。ご自宅用でしょうか、それとも贈り物にしましょうか。」
「贈り物にしてくれ。赤のリボンがいい。」
「かしこまりました。」
男はプラスチックのカードを店員に渡す。私にも貴方にも想像できないくらいの多額な金額を支払っている。一括払いは暗黙の了解である。店員は少し離れたテーブルで、殻のハコを取り出し、黒い包み紙で手際よくハコを包み、赤いリボンをカンで計って切り、結ぶ。最後に、そのハコを頑丈な手提げ袋に入れ、男に渡す。男はニッコリと笑い、手提げ袋を受け取る。
「大変お待たせしました。こちらに署名を・・・。」
「今日もありがとう。」
「明日も、お待ちしております。」
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おい、オチはどこだ?
ない。
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