2.17.2005

エーテル

人と目を合わせない男児。電車の入ったおもちゃ箱を床にひっくり返し、小さな車輌を一つずつ、丁寧に拾ってはダイニングテーブルに載せる。5個テーブルに載せたところで満足したみたいだ。つま先立ちして、車輌をつなげはじめる。この時のまなざしはいつも真剣そのものだ。さっきまで濡れた洋服を外に干していたマンマは、今は台所で何かしてる。マンマはしばらくおとなしくしているだろうと判断した様子。この子もしばらく夢中でいるだろう。

2、3年後、この子にどのような変化が起きるのかはまったくわかっていない。
もしかして、何も起きないかもしれない。
私も妻も、無力さを痛感していた。

皮肉にも、この子には何も心配がない。なにしろ、今はその5個の車輌の前後のフックをつなげることに全精神を費やしてるのだから。マンマもいつもそばにいてくれる。しあわせに決まってる。あなたも2歳児の独り言を聞いたことがあるならば分かるはずだ。

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