2.25.2011

スーツを着ること

数日前、おいしいラーメン屋を街で発見した。個人的にかなりヒットだったので、場所を忘れないうちに昨夜もう一度行くことにした。

ものの見事に迷ってしまい、少なくとも30分は街をウロウロしたのではないかと思う。

その間、沢山の黒コートのお兄さんに声をかけられた。飲み足りなくないですか、キャバクラどーですか、ガールズバーですお願いしまーす、次のお店はお決まりですか、と。最近景気がいいのか悪いのか良く分からずにいたが、水商売の必死さから伺えるのは紛れもない不景気だった。世の中のお父さんたちのお財布事情は引き続き深刻だ。

黒コートたちは丹念に、行儀よく、なだめるように声かけをしていた。ある意味、とても好感をもてる。誠実な何かを見たような気がしてならない。

シンパシーがすっかり黒コートに偏ってしまい、彼らのお客になりえない自分が少し居心地悪かった。いや、ラーメンなんです僕は、と素直に言えず、とっさに、次のお店が決まってるので、と嘘でない嘘をついてしまった。結果として見栄をはってしまったのだが、できれば歓楽街も歓楽街っぽく元気であってほしい、とも思えた。

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