9.02.2010

薔薇の戦争

泉勤という。来週の土曜日に56才になるが、会社の同僚や妻が教えてくれていなければ、今年の誕生日は忘れて過ごすつもりだった。人に祝ってもらえることは何歳になっても嬉しいことだが、その反面私の年までなると正直なところ照れくさいを通り越して恥ずかしくなってきた。もちろん、相手に悪気はまったくないんだが、どうも私の周囲の人間は祭り好きが多くて、人前だとどうしても騒がしくて、目立つ。

娘の英里子は高校生で17才だ。こいつは今年の春の新学期の開始からまもなく、二週間も家出をした。前からそんな素振りもなかったのだが、後からわかったのは、妻との言い合いがきっかけになったらしい。家族とはいえ、女同士の喧嘩に頭をつっこむことでロクなことは起きない。私は静観することにした。娘が帰ってきても、何について言い合ったかもきかないことにしている。

スイスのごとく長く中立性を保つことは実に難しい。妻も娘もいつもは私を無視するくせに、こういう時に限っていずれも私を見方につけようとする。分からない、仕事で忙しい、寝る食う風呂はいるなど言い訳を使い尽くした後、結果私は無関心だというので二人とも敵にまわしてしまった。

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