7.13.2010

うどんはそばを愛してる

ライバルという言葉について、少しかいつまんで考えてみたい。競い合う関係と、認め合う意味を兼ねている。その意識が各々を高めることにつながると思われ、言葉自体は概ねポジティブな文脈で使われるのではないかと思う。カタカナ四文字にしては、欲張って意味を詰め込み過ぎている気もする。

この言葉、スポーツで使われることが多い。例えば、プロ野球の巨人と阪神。誰もが知っていて、一見ライバルそのものを象徴する。でもこの関係に一つケチをつけるとすれば、勝ち負けの世界では互いの利害が完全に対局していること。極端にいえば相手を蹴り落とすことで自分を高めるわけなので、お互い認め合う余地にも限度がある。少なからず相手、すなわち敵対心、すなわち嫌いこんちくしょう、という気持ちが芽生えてくるのも自然である。それぞれのチームをひいきにするファンも同じ。

うどんバーサスそば、こちらの方がライバルの鏡と言えるのではないか。巷では最近、にわかにうどんルネッサンスを感じるが、そばが巻き返す日は必ずくる。そばアレルギーじゃない人であれば、うどんもそばも嫌いじゃないはずだ。ましてや、うどんが好きだからそばが嫌い、なんて馬鹿げたことは起きない。

両方とも基本は和風だしで食す麺。あまりにも近い。仮にでもうどんバーサスそばが世紀のデスマッチだったとしたら、とうの昔にどちらかが淘汰されていたはずだ。お互い根強い人気をほこる背景には、愛のほかなにがあるといえる。香川県除き。

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