涙のランデブー
みつ江は十六のごく平凡な村娘。身体が弱く、生まれつき耳が悪かったり病気をしがちだが、性格は明るく気持ちのよい娘だった。長く子宝に恵まれなかった家庭に生まれたためか、両親の愛情もたくさん受けてのことだった。見た目は美人というほどではないし、鼻がダンゴで少し出っ歯気味だったが、そんなことはどうでも良い俺の嫁になってくれと申し出てきたいい男がいた。
青年は性格のみならず、目立つくらいの男前でもあり、不運なことに弁天様の大のお気に入りだった。ライバルは排除すべく、弁天様はみつ江をとっつかまえてビー玉に変えてしまった。
デリカシーにかける弁天様だが、そのビー玉を青年に渡し、これがあんたの愛したみつ江ちゃんだぁよ、あきらめて私のペットになりなされウヒヒヒジュルジュル、と乱暴した。
青年は再び合体ロボットに乗り込み、都合良く巨大化した弁天様との最終決戦に挑んだ。
長期戦が見込めたので、序盤は手堅く、球数を節約するため打たせてアウトをとる戦法だった。しかし二回表に四番弁天、五番弁天に連続ソロホームランを食らってしまいKO。そして勝負の正念場は九回ウラ、二塁三塁ワンアウトツースリーで八番巨大ロボ。
静まり返った高野、したたる汗。
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