3.26.2008

食べないで、あと少し

僕、ハンバーガー。あなたが、今、手に持っているハンバーガー。
誇ること何一つ無い、マックのチーズバーガーだ。
しいて言えば上部のパンが少しずれていることが僕唯一の特徴だ。

なぜ、ハンバーガーが口きけるのかというと、それは君が想像の中で僕に声を与えたからだ。ありがたくも憎らしいとも思わないよ。この会話に飽きたら何もなかったかのように食べてもらっていいし、このまま僕を眺め続ける限りは君にしゃべりかけるよ。君の望むようになるよ。

僕には兄弟がいる。僕のお兄ちゃんはさっき買われていったビッグマックだった。もういないから、生存してる兄弟のなかでは僕が一番年上なんだ。あ、弟もビッグマックだよ。その下はアップルパイだ。妹だけどね。生みの親は休憩に入っちゃって、裏で一服してるよ。高校生のバイト君だよ。かわいい女子高生だったら自慢できたのにな。

君がしわをよせるのも分かる。いや、確かに変だよ。パンとレタスと肉がなんで一つの集合生命体になれるのかってさ。でも、言わせてもらうけど君だってそうだぜ?君の目の細胞も肌の細胞も骨の細胞も爪の細胞だって、一つ一つ立派な生き物なんだぜ?今は脳ミソの細胞が代表役仕切ってることだと思うけど、その中で民主主義は成立してると思うかい?へけけ。

匂いだけで味が分かるだろう。この、マックの匂い。匂いと味がこれだけかぶってる食べ物もそうそうないと思うよ。ほら、あるじゃない。ベルギーワッフルとか。匂いは相当香ばしいけど、いざ口に運ぶとフニャっとちょっとマヌケな味がするじゃない?いや、僕は食べたことがないけど。いや、友達からそう聞いたことがあるんだ。20分前。

がふ。

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