8.24.2006

ジェネリック

突然、ジャングルのしげみからトラが飛び出てきた。妙な太り方だ。噂の人食いトラに違いない。五人の探検隊員が、次から次へと食われていく。四人目を食べ終えると、トラは最後の探検隊員に牙を向けた。しかし、トラは急に地面に崩れ落ちる。前足で腹をなでながらもがき苦しんでいる。しばらくその様子を見ていた探検隊員は、最初はコシが抜けてしまって動けなかったが、次第にトラが人間の相手をしているどころでないことに感づく。

「おい人食いトラめ。よくばりすぎて腹痛になったか。ざまあみろ。」

「あなどるな、人間め。」

トラはふらふらしながら再び立ち上がろうとする。

「そうはいかない。これから銃を取りに行く。それで貴様をしとめて、仲間のかたきをとるのだ。貴様の毛皮も、クビも何もかも売り飛ばしてくれる。」

隊員はテントにおいてあったライフルを手に取り、トラに向けた。

「おい、トラ。撃つ前に答えろ。何故人間を食う。美味いのか。」

「ぐるるる・・・まずいに決まっているだろう。」

「では何故食うのか。」

「漢方なのだ。胃が痛くて・・・。」

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