1.11.2006

ナントカと煙とやら

私は高いところが苦手で、なおかつ重度の方向オンチだ。

仕事の接待で、渋谷にある大きなホテルのてっぺんにある、少しおしゃれなレストランに行ってきた。ホント、ガラでもない。料理は大変美味しかった。ただ、レストランさんに対して実に失礼かもしれないが、非っ常に肩がこってしまった。じわりじわりと、綿密に計算されたタイミングで出されてくる料理、多くの食器、背後霊のようにまとわりつくソムリエとやら(いい人だったが、なんとなく、ね)。

食事が終わると、ほろ酔いのおエライ様たちの会話はフワフワーっと様々な方向に飛び散り、私は席を立つ。一番下っ端なので、お勘定係なのである。バーカウンターで支払いを済ませ、一服した。

バーカウンターの窓越しに見える、40階からの見晴らしは確かにすばらしかった。キラキラキラリーンである。246号が赤と白のライトの川のよう。ただ、私は高いところが苦手で、なおかつ重度の方向オンチだ。窓に近づくことはもってのほか、どうも居心地が悪かった。ここから家は見えるかなーとも思ったが、バーテンに

「東はどっちなんかね」

と尋ねる勢いはなかった。

なんか、そういった、なんつーんでしょう、コテコテな質問が許されるような雰囲気ではなかった。いや、尋ねていたとしたら、バーテンさんのクールな空気をぶち壊すのもなんだか申し訳なかった気がしなかったでもない。「ちょっとわかんないんで調べてきます」、なんて言われたら、可愛そうだなぁ、なんて。格好つかねぇんだろうなぁ、なんて。

ということで「渋谷から江東区まで見えるか」は、謎に包まれたまま、夜は終了したのでした。

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