1.05.2006

事後報告

義理の父は、自ら立ち上げた鉄プレス工場を経営している。職人肌。爪はエンジンオイルで黒くなっている。頭の回転がえらく早く、新潟独特の辛口(らしい)な口調。仕事においての共通の話題はおろか、私は彼のことを良く知らない。初めて会った頃はおっかなさ故にかしこまっていたが、四年間に渡って少しずつ親しくなってきた気がする。一年に片手で数えられるくらいしか会っていないわけだが。それなりに。

ヨメから聞いた話です。

以前ヨメが実家に帰っていたとき、親子で私の音楽活動の話題になったそう。ヨメとして、夫がまっとうな音楽活動を目指して夜な夜な作業をしているのを見ていて、心配するのは、まぁ「ヨメ業」に従する者としてしかるべき姿であろうという考えもあるので、そこで責めるつもりはない。別に私がこういった活動を続けるのを反対しているのではなくて、どうなんのかね、程度の気持ちだったと思われる。ただ、実に意外だったのが、義理の父の一言だった。

「ケイスケから音楽を取り上げるンじゃないゾ。」
「曲とか作ることとかよぅ、お前は逆立ちしたってできねぇんだからよ。」

と。音楽を取り上げたら、他に何もできなくなるぞ、と言う。私は義理の父に一言も音楽の話を直接したことがなかったのにも関わらず、彼は確信を持ってそう言う。

私がどんな気持ちでどのような音楽をやってるだとか
私が誰にどういわれて影響されるか否かだとか
何が犠牲になる可能性があるのかだとか
今の仕事と音楽で本命がどうのこうのとか
義理の父が果たしてどんな意味で(ギャグで?)そんなことを言ってるのか

とかとか全て、さておいて。

不思議で、多分うれしかった。

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