12.01.2005

ビバ漂流

無人島で暮らし始めて、ちょうど1ヶ月を迎える。

正確に言うと、30日経った。11月の最後が30日か31日か忘れてしまった。残念ながら確認するものがない。なんだっけ、と思ったころにはとっくに携帯電話の電池も切れていたし、カレンダーなんかもない。面倒くさいので、これから私が死ぬまで、1月から12月、全部30日だ。そして13月は5日間あることにする。覚えていれば4年に一度、13月は6日間とするつもりだ。

旅にでるとき、友人は冗談で、私にサザンオールスターズのアルバムをくれた。ほら、言ってただろ。無人島にCD一枚だけ持っていくとしたら、って。

CDプレーヤーがあったとしても聞かなかったと思う。そして聞いてもないのにサザンなんかもうキライだ。今までよくも僕を騙してくれた。CDの裏面を太陽に反射させて、火をおこしている。食べられるかどうかも分からない草を一応、ゆでている。というよりは、葉っぱで包んで蒸している。どっちが器でどっちが食物なのか区別がつかない。もしかして、食べられるのは器の方なのかも、しれない。

1ヶ月も声を出していない。飲み食いする以外、口に用はない。言葉を忘れそうだ。ためしに喋ろうとしたら、舌をかんでしまった。血の味がする。

最初の1週間はやけに静かに感じたが、波や森のざわめきが日々、大きく聞こえてくる。

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