3.28.2005

サイクロンの逆襲

真の宿敵という存在は、ある意味、身近なものでないと宿敵と呼べない。そもそも定期的に争うからこそ宿敵と言えるわけであって、互いへの憎しみを膨らませながらもライバルとして徐々に認め合っていく列記とした関係である。私にとって、そいつは我が家のクローゼットに潜むナショナルのサイクロン式掃除機MC-F300XGである。こいつぁキライだ。今のところ認め合いの関係にはいたっていない。ちなみに、この件私にとってちっとも笑い話でない。

何が悪いかというと、まずヤツの音である。子供の頃から掃除機の音が許せない、というか、恐い。あの「ぎょえ~~~~」の出だし音は良く聞くと普通の音でない。数え切れない雑音の集合体であって、それぞれ音程やリズムの領域を超えていて、脳みそに直撃する無数の針の他ならない。「強」設定のヤツに人の顔があったとしたら、目をこれでもか、とおっぴろげて「あ゙~~~~~~~~!!」と、発狂する表情を思い浮かべる。無機質で、不安で、誰も止めない限り永遠に叫び続ける。なにを吸い込ませても、「あ゙~~~!!」は衰えずに続く。人の顔で想像してみてください。私にとって、ホラーモノに等しく、調子が悪いときに妻が掃除機を走らせてると風呂場かトイレに避難することが多い。

あとは、あのゴムのパイプでつながっている複雑な構造。意思を持ってるかのように使いにくい。私はかつて、テレビのCMで見るように掃除機をエレガントに使いこなした人を見たことがない。ガタガタゴトゴト、と様々なプラスチックが複雑にぶつかり合う音も苛立ちを誘う。あぁ、ダメだ・・・。想像してしまった。とにかく、家電の中でも、精神病院行きなのはコイツだけなのである。

ちなみに、他の家電たちを同様に擬人化して見ても、それなりに温和なイメージしか思い浮かばないのは私だけだろうか。たとえば、冷蔵庫・・・ブゥーーーンと、おとなしく、静かに食物を傷みから守る。洗濯機・・・ゴットンゴットン、よいしょ、よいしょとリズム良く洗う。コタツなんてこれ以上やさしい家電はなかろう。

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