3.17.2005

大馬鹿理論

唐突にも株式市場の話をしてみようではないか。「大馬鹿理論」、聞いたことありますか。なかなかおもしろいんです。

空想の上場企業A社があったとしましょう。A社は腐ったみかんを売っています。はっきり言って、イケてません。利益は愚か、売上もありません。でもなぜか上場してます。ところがです。A社はある日、インターネットでこのような発表をしました:

「風の噂で、腐ったみかんはタンザニアで売れることを知った。早速明日からタンザニアにて事務所を設け、営業活動する。年間500億円の売上を見込む。原価もタダだから利益も500億円。すごいすごいすごい。」

とのこと。さてどうでしょう。賢いあなたは知っている。タンザニア人は古代から大の腐ったみかん嫌いであることを。売れるはずが無いし、A社の発言は明らかにハッタリである。一方で、あなたの隣に座っている同僚のコバカ君。あなたと同じパソコン画面でこの記事を見ていたが、哀れにも、まじめにタンザニア万歳状態である。

「俺、A社株買って見ようかなぁ・・・なぁ、どう思う?」

ちょっと意地悪なあなたは彼に本当のことを教えない。なにしろ古代タンザニアの歴史を教えることとなればダーリンとのおデートに遅刻してしまうため、いいじゃん、と片付けてそそくさ出かけてしまう。彼が見ていないところで鼻で笑ってみるあなた。コバカ君は結局、エイヤで全財産を費やし、A社株を200億円分購入してしまう(コバカ君はボンボンだ)。ところが数分後、彼と同じ考えの人が次々とA社株の買い注文を入れ、1時間後には株価が倍になっているではないか。まさにバカの祭りである。コバカ君はびっくりして、どこまでもドジな彼はパソコンの操作を誤ってしまい、その瞬間に持分を全て売ってしまう。そして彼の当初200億円の投資が400億円の現ナマに化けてしまう。

翌日、あなたはコバカ君に、あの株は結局買ったのかい、といい人っぽく尋ねてみる。

「いやあ、オオバカ君、昨日は凄かったんだよ・・・」

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