12.16.2004

アルバムという概念

先日会社の忘年会だったのだが、非常に気前の良い上司は従業員全員にクリスマスプレゼントを渡し、彼は私にアップルのipod miniをくれた。午前0時くらいに帰宅したのだが、意識モーローな状態で、洒落た包み紙をはずして本体を取り出してみた。案外付属品が少ない。ひとまずホッとする。説明書が一冊にまとまってることがまず非常にありがたい。第一印象は「かぁーいぃー↑」。軽くて、手のひらサイズで、親指一本の操作がとても簡単で楽しい。この場でアップルの宣伝して、これもまた実に馬鹿な話なのだが、本当に良いデザインだと思った。結局午前2時過ぎまでCDをipodに落としこむ作業をしてしまった。またもや無意味な夜更かし。通勤、30分だけなのにおそらく10時間分のCDをぶっこんだのではないか。

正直な話、プレゼントとしてもらっていなかったら、多分この手のものは買っていなかったと思う。簡単な話、音楽鑑賞に関しては多分、若干古い人間だと思ってる。アルバムという商品が好き。未練に近いものもある。ジャケットのデザイン、ライナーノート、歌詞ももちろんだけど、何よりも60分前後にわたってじーっくりアーティストの音楽を聞くことに意味があると思う。偏見だけど、ちょっとでもいいアーティストであれば4-5分の一曲に「俺は人生全てをこの一曲で表現する」なんて人はあまりいないと思う。アーティストの色んな側面が見れるからアルバムが面白いわけであって。もちろん、ハズレまくる寄せ鍋的アルバムも世の中あるけど。

そこでipodが問題にな(りつつあ)る。通勤中気づいたのが、無意識に曲をピッピッ飛ばしてる。まるで30分の通勤時間の中で、「あ、これも聞かなきゃ、次はあれ」とせかされてる気分である。便利すぎて、自然と「この30分間で絶対俺のベスト曲を聴くぅぅぅ!」と燃えてしまうのである。効率的になりゃあいいってもんじゃない、といのはこういうことを言うのだと思う。テクノロジーに、足元から救い上げられた気分で、少し反省した。馬鹿だけど、アーティストにも失礼だったと思う。これじゃあ、ベスト40を鉛筆なめなめしながら選んでるラジオ局と変わらないもんね。聞き手の心が疎かだったね。

ということで、ipodを使うにあたって、なるべくあのクルクル君にできるだけ振り回されないようにする。あくまでもアルバムを聞いてる気分でいようと思う。それと、当面はダウンロードには手を出さないだろうと思ってる。今後は上手くコイツと付き合って行きたいと思う(上司よ、ありがとう)。

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