6.24.2012

神保町のオアシス

神保町の地下鉄駅は忙しい。となりの大手町には及ばないが、それでも半蔵門線、三田線、新宿線の三本がとおる立派なターミナル駅と思える。私鉄からの接続も考えると、いくつもの遠方ベッドタウンの人々が毎日運ばれてくる。私も神保町を通って通勤している。

そんな神保町の新宿線下りホームに注意をよせたい。平日の通勤ラッシュ時は数分毎に電車がとまる。遠くからだと京王線の果ての高尾から人を少しずつ集めて、ここ神保町と隣の大手町で一気に通勤者を吐き出す。

ここでは毎朝、私にとってなんとも奇妙なことが起きる。通勤者の波から外れたところにポツリと5人かけのベンチがある。ベンチ自体は何の変哲もないベンチなのだが、奇妙なのは毎朝2、3人ここに必ず腰掛けてくつろいでることだ。大体はスーツ姿の中年が読者をしている。毎回同じ顔ぶれではないが、誰もがとても穏やかな時間を過ごしているように見える。

何が変かというと少しややこしいことだが、ここに待つ理由が見当たらないのだ。この時間帯は急行電車は走ってないし、どのみちこの先に忙しい駅は大手町だけで、それも各駅でいける。ようするに、ここで座っているのは、ここに座りたいから、という整理しか思いつかないのだ。

そのうちいつか、このベンチに座ってどんな気分になるのか私も試してみたいと思っている。

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