6.21.2012

困った困った

第二地球の発見からちょうど一年経った。第二人類との交流は不気味なほど順調だった。

第二人類(彼らからしてみれば我々が第二人類に値する)の様相、歴史、文化、科学、哲学、言語、娯楽、政治など至る所で我々と似ていたので、早い段階で信頼関係が生まれた。警戒するのも同じで、お互い戦争の怖さや人の欲深さも知っており、何が何でもお互いの星を侵略しない協定も結んだ。星の行き来は海外旅行のような手続きでできるようになり、国際免許で道も運転できるし金のやりとりも可能にした。

昨日、二つの星の友好関係とさらなる発展を祝した盛大なパーティーが開催された。第二人類は食べ物を、我々第一人類は飲み物を担当する約束だった。料理は我々からしてどうみても寿司、フォアグラ、ピザとチョコレートだ。

もはや共通点が当たり前に感じはじめていたのが間違いだった。意外なことに我々が持ってきたコーラは彼らにとってはじめてだったようで、プシュっと栓をあけると驚いていた。ただの炭酸ガスですから、と説明して慎重な彼らにいいじゃんいいじゃんと勧めてしまったのだ。

いま、一口飲んだ彼らの大統領が口から泡を吹いて気を失ってしまっている。

困った。

コメント0archive

Post a Comment

<< Home