5.02.2006

自動車地獄

歩行者天国という言葉が好きだ。その意味も、その言葉の響きも。できることならば、「ホコテン」とムヤミに略称を使いたくないほど好きだ。

私の住むマンションの近くにも、夕方は歩行者天国になる商店街がある。正式名は一応、「買物天国」という。買物天国と、いささか大げさなネーミングだが、質素な商店街であることには変わりない。くたびれたパン屋さん、くたびれた魚屋さん、おでんのネタ屋さん、そば屋、八百屋、薬局と、どれもがなんとなくくたびれていて、「買物天国」という立派な名称に相応する気合は一切感じられない。普通に考えれば、「住吉商店街」とでも名づけておけば正直っちゃあ正直だ。が、こういう風に無駄な背伸びをする下町カルチャーが、理屈の領域を超えて僕はとても好きだ。なんだか前向きな気がする。ジジババの街でもユーモアが健在だということだと勝手に整理している。ちなみに、隣町の商店街は「砂町銀座商店街」である。

少し話しがずれたが、歩行者天国。天国というほど騒ぐものでない。
歩行者も自転車の人も少しだけ、楽チン。
大した経済効果があるとも到底思えない。
これはきっと、理屈じゃないと思う。
僕が後付の理屈を作ってもあまり意味ない。

暖かい日の夕焼けを浴びながら、ここを歩くのは実に気分がいい。こういった微々たる効果のために、くたびれた商店街が未だ集団的に取り組めるのは、よく分からないけど、なかなかステキなことだと思ったりする。

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