4.23.2006

ディフェンス

テレビを付けたら、ウルトラマンやってた。懐かしいので見た。いつの間にか、ポロポロ泣いてた。なぜかって。僕がテレビを付けていようといまいと関係なく、ウルトラマンは20年間以上も、週一回のペースで地球を救っていた。少し申し訳なかったのと、改めて「ウルトラマン」という職業の大変さを実感した。

作家のなすがままに作られた宇宙怪獣を、毎週相手にしてる。来週はどんなヤツか、来週も勝てるかな。次こそやられるのか。眠れない日も沢山あるのだと思う。しかも、ただ勝つだけじゃない。9回フルカウント満塁ホームランが期待されてる。絶体絶命からの逆転でなければならない。痛めつけられる前提で物語は構成されている。気の毒としかいいようがない。でもウルトラマンは「今週はちょっと」なんて言わないし、ちゃんと敵に立ち向かう。

ウルトラマンは口があるように見えるけど、しゃべらない。ストイック。地味?怪獣が出現するときは全然動揺しないし、ビジネスライクに戦うポーズをして現れる。怪獣を倒したあとも、ガッツポーズもないし、敵をけなしたりもしない。もしかして、瞳孔のない黄色い目が少し悲しそうに見える。なぜかって。先週も同じだったから。来週もきっと、同じだから。

先手を打ってナンボの世界になってる。ヤッタもの勝ち、言ったもの勝ち。こんなお手本ばかりでいいのか。その中で、変わらないウルトラマン。沈黙沈黙沈黙。守備守備守備。20年間以上連勝しているわけだから、それを継続させるプレッシャーは計り知れない。

僕は古くてバカだから、ずっとウルトラマンを応援している。

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