やさしくされちゃった
赤坂の繁華街のど真ん中にある、小さな神社の敷地内にある、小さな耳鼻科医院。鉄のドアを開くと、小さな廊下に、人の気配を全く感じさせない静けさが漂う。青白い一本の蛍光灯が放つ光は殆ど床に届いていない。唯一の窓が廊下の奥にあるが、その灯りは隣のビルに完全遮断されている。夜?「昔ながら」の病院の匂い、と甘いほこりっぽい「おじいちゃんの家」の匂いが混ざってる感じだった。玄関横に訳のわからん民族園芸みたいな、おきもの。
段差の高い玄関。暗い足元には緑のスリッパが4、5組そろえてある。隅っこにあるスリッパ入れには子供用のビニール製のスリッパがいくつか。青とか赤、良く見ると殆どはがれ落ちてるバンビとかスヌーピーの柄。かなりの年期モノ。
「昔ながら」の病院の匂い。涼しい。
廊下の左側に二つの扉、診察室ともう一つ、視聴力を計るヤツの部屋(忘れた)。しばらく玄関に突っ立ってるとばあさんが出てくる。保険証を渡して、しばらく木製のベンチで待つ。
小柄のじいさん先生。顔はしわくちゃ、目がイキイキしてる。ロマンスグレーをチョロっとポニーテールに束ねている。(まだ暗い)診察室の中では数々の金属の容器が鈍く輝いていて、なんだかシュールな空間。さらに民族園芸のおきもの+和凧、など複数のおきもの。
手をプルプル震わせながら「機械いれま~す」と耳等穴類をのぞかれる。「風邪、ひいてる?」1分おきに尋ねられる。不安にさせる診察だったが、とてもやさしい人だった。「ヒナミとは珍しいお名前だねぇ~」と、すっかり人間なお医者さん。説明が丁寧だ。炎症はこうこうこうなんだけど、こうこうこうこうだから大丈夫なんじゃないかな。「しっかり2、3日薬を飲めば治りますよ」いざ書いてみるとありきたりすぎるくらいの台詞だが、ただただ優しかった。気付けば僕はあのバンビのスリッパを履いている子供かのように扱われていた。「ハイ!・・・ハイ!・・・ありがとうございます!」と、気付けば自分もすっかりそのペースに飲み込まれていた。会計を済ませるときに、それを確信した。ばあさんが言う。
「これはばい菌を殺しちゃうお薬だからね。お大事に。」
3日後にまた来なさいと医者に言われて実際行った試しがないが、ここにはまた訪れたいと思わせる。
段差の高い玄関。暗い足元には緑のスリッパが4、5組そろえてある。隅っこにあるスリッパ入れには子供用のビニール製のスリッパがいくつか。青とか赤、良く見ると殆どはがれ落ちてるバンビとかスヌーピーの柄。かなりの年期モノ。
「昔ながら」の病院の匂い。涼しい。
廊下の左側に二つの扉、診察室ともう一つ、視聴力を計るヤツの部屋(忘れた)。しばらく玄関に突っ立ってるとばあさんが出てくる。保険証を渡して、しばらく木製のベンチで待つ。
小柄のじいさん先生。顔はしわくちゃ、目がイキイキしてる。ロマンスグレーをチョロっとポニーテールに束ねている。(まだ暗い)診察室の中では数々の金属の容器が鈍く輝いていて、なんだかシュールな空間。さらに民族園芸のおきもの+和凧、など複数のおきもの。
手をプルプル震わせながら「機械いれま~す」と耳等穴類をのぞかれる。「風邪、ひいてる?」1分おきに尋ねられる。不安にさせる診察だったが、とてもやさしい人だった。「ヒナミとは珍しいお名前だねぇ~」と、すっかり人間なお医者さん。説明が丁寧だ。炎症はこうこうこうなんだけど、こうこうこうこうだから大丈夫なんじゃないかな。「しっかり2、3日薬を飲めば治りますよ」いざ書いてみるとありきたりすぎるくらいの台詞だが、ただただ優しかった。気付けば僕はあのバンビのスリッパを履いている子供かのように扱われていた。「ハイ!・・・ハイ!・・・ありがとうございます!」と、気付けば自分もすっかりそのペースに飲み込まれていた。会計を済ませるときに、それを確信した。ばあさんが言う。
「これはばい菌を殺しちゃうお薬だからね。お大事に。」
3日後にまた来なさいと医者に言われて実際行った試しがないが、ここにはまた訪れたいと思わせる。
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