スマイル
野田孝太郎、男34才、独身会社員。千代田区在住。
都会暮らしだがアウトドアの趣味に熱心である。この数年は釣りにのめり込んでいる。大自然に囲まれて一人の時間を満喫するのだ。
主に週末の活動。出発はいつも早朝。土曜日の千代田区は、平日の喧騒とはうってかわりガラリとしていて、早朝ともなるとゴーストタウンと化している。釣り道具を背負って大通りを歩いてると我ながらシュールな光景だと感じてしまう。
今朝もそんな感じだった。地下鉄駅に向かう1号線を歩いていたが、珍しく道の反対側に人の気配がした。
自分と同じ方向にあるく老人だった。猫背でウォーカーを押している。同じペースで歩きながら、野田をジッと見ている。
満面の笑顔で。どう考えても野田を直視している。口をぱくぱく動かして何か喋ってるようだが、何を言っているかわからない。
野田はゾッとした。気のせいだと自分に言い聞かせて目線をそらし、視線を前に固定した。
地下鉄まで残り100メートル。最後は、老人のいる側に道を渡らなければいけなかった。
都会暮らしだがアウトドアの趣味に熱心である。この数年は釣りにのめり込んでいる。大自然に囲まれて一人の時間を満喫するのだ。
主に週末の活動。出発はいつも早朝。土曜日の千代田区は、平日の喧騒とはうってかわりガラリとしていて、早朝ともなるとゴーストタウンと化している。釣り道具を背負って大通りを歩いてると我ながらシュールな光景だと感じてしまう。
今朝もそんな感じだった。地下鉄駅に向かう1号線を歩いていたが、珍しく道の反対側に人の気配がした。
自分と同じ方向にあるく老人だった。猫背でウォーカーを押している。同じペースで歩きながら、野田をジッと見ている。
満面の笑顔で。どう考えても野田を直視している。口をぱくぱく動かして何か喋ってるようだが、何を言っているかわからない。
野田はゾッとした。気のせいだと自分に言い聞かせて目線をそらし、視線を前に固定した。
地下鉄まで残り100メートル。最後は、老人のいる側に道を渡らなければいけなかった。
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