私なりの老後
麻原光男、67才無職婚歴なし。
若くないが、気はそんなに年老いたつもりでもない。子供の頃、歳をとれば当たり前のようにゲートボールを始めておかゆしか食べない人間になるのではないかと恐れていたが、いざ歳食ってみてそうでなかったことにホッとしている。
土曜日の昼下がり、六本木一丁目にある高層オフィスビルの屋外喫煙所。鏡のように磨かれた黒い革靴、ベージュに赤ストライプのウールパンツ。赤と緑のプレードチェックのロングコート、レモン色のハット。立派な白ひげをはやしている。イオンの安い発泡酒を片手に、小洒落たパン屋で買った小洒落た菓子パンをむしゃむしゃ食べている。
現役時代は出版会社の営業マンで、仕事も遊びもこの界隈だった。定年してから時間だけはあるので、こうして街をぶらぶら散歩するのだった。
去年だったか道端で、流行りのシニア向けファッション誌のスカウトに出会い、スナップが掲載された。ちょいワルエレガントおじさまの模範とかなんとかコピーもつけられた。いい気分だった。それから少しずつ洋服に興味を持つようになり、あれこれ冒険してみるうちすっかり個性派な仕上がりになってしまった。
若くないが、気はそんなに年老いたつもりでもない。子供の頃、歳をとれば当たり前のようにゲートボールを始めておかゆしか食べない人間になるのではないかと恐れていたが、いざ歳食ってみてそうでなかったことにホッとしている。
土曜日の昼下がり、六本木一丁目にある高層オフィスビルの屋外喫煙所。鏡のように磨かれた黒い革靴、ベージュに赤ストライプのウールパンツ。赤と緑のプレードチェックのロングコート、レモン色のハット。立派な白ひげをはやしている。イオンの安い発泡酒を片手に、小洒落たパン屋で買った小洒落た菓子パンをむしゃむしゃ食べている。
現役時代は出版会社の営業マンで、仕事も遊びもこの界隈だった。定年してから時間だけはあるので、こうして街をぶらぶら散歩するのだった。
去年だったか道端で、流行りのシニア向けファッション誌のスカウトに出会い、スナップが掲載された。ちょいワルエレガントおじさまの模範とかなんとかコピーもつけられた。いい気分だった。それから少しずつ洋服に興味を持つようになり、あれこれ冒険してみるうちすっかり個性派な仕上がりになってしまった。
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