11.11.2018

上京の状況

野瀬貫太、専門学生19才、新潟出身。

地元大学への受験に失敗したので、上京することにした。都合よく高円寺在住の叔父がおり、居候させてもらうことになった。

これといった東京の暮らしへの憧れや期待はないが、せっかくなら都会の暮らしを楽しもうと思っている。贅沢はできないが、ある程度時間の余裕はある。

最初の方は人付き合いが手探りだった。専門学校では様々の年齢層や経験の違う人間がごちゃごちゃになっていて、自分のように高校上がりの若年層もいれば、まったく世界観の違うヤンキー、脱サラ、そもそも専門分野に情熱をもって通ってる人もたくさんいた。

気の合う仲間に落ち着くのに時間がかかるし、気疲れもした。東京に出てきて意外にも、一人で過ごす時間の楽しみも知ることになった。知らない街を散策したり、映画にいくこともよくあった。一人で飲むブラックコーヒーの美味しさも、この頃覚えた。

あと、昔テレビドラマでよく見る東京の若者の遊びといえばゲーセンだった。野瀬もたまにゲーセンのUFOキャッチャーで遊び、少し上手くなってしまった。難しい獲物は大きなぬいぐるみや箱モノだが、重心のずらし方のコツがつかめればすんなりとれることもある。読みが当たって一発でとれると実に気分がいい。

大きなぬいぐるみを抱きかかえて街を歩く姿は自分でも滑稽に思えたが、得意なことが一つできて少し嬉しく思っている。

コメント0archive

Post a Comment

<< Home